一昨年から計画をすすめてきた、長野県池田町にあるカミツレの里/八寿恵荘という宿泊施設のリニューアル計画。その改装の設計を担当させていただきました。昨年の11月末から改装工事が始まり、この4月末に竣工し、おかげさまで、このたび5月15日にオープンを迎えました。
カミツレ=カモミールという薬効がある植物、しかもオーガニックに育てたものから抽出された成分をふんだんに使った入浴剤やコスメを製造するカミツレ研究所。そこが運営する健康と癒しのお宿として、すでにその価値を理解していた方々からは人気のあったお宿でした。このたび、そのコンセプトをより一層掘り下げよう、というオーナー殿の強い思いを実現するべく、全体をリニューアルすることになったのです。
内外装は、できるだけ地産地消の無垢材、自然素材を活用し、健康に配慮するとともに、環境に対するインパクトを最小にすることにしました。特に床材は全面的に地元池田町の赤松を製材したものです。全面的に床暖房を採用し、素材感を体感してもらうべく裸足で歩いていただけるようにしました。キッチンや家具も含めて採用した樹種の名前は全てお部屋の名前となっています。ベッドルームも一部屋ご用意し、車いすの方でもご利用できるようになっています。
エネルギー面でも配慮し、高性能な断熱をし直すとともに、浴室、暖房に使われる熱源は重油ボイラーから地元の赤松のチップ素材を活用するオーストリア製のチップボイラーへと変更しました。
このお宿で提供される有機食材のお料理や布団、タオル類にいたるまで、すべてオーガニックという徹底ぶりです。
こうした取り組みが評価され、欧州を中心として認証が広まっている「BIOHOTEL」認証システムのアジア第一号の認証を授与されました。
八寿恵荘 http://yasuesou.com/concept/
カモミールが咲き始めたエントランス周辺 外壁を杉材でお化粧直し
レストラン:コモンキッチンを兼ね備える
ラウンジ:畳と薪ストーブ カミツレ畑と森を一望
大きな多目的ホールとデッキ
オーストリア製 チップボイラー