今年は、世田谷区大蔵で展開中の『三年鳴かず飛ばず』プロジェクトの小屋づくり計画と連動して、「住みかをつくる〜自然とつながる家づくりの学校」をシリーズで展開予定です。家づくりのさまざまな現場や素材、ワークショップを通じて、地域やその気候風土に寄り添った家づくりをみなさんに体感していただく機会を多く作りたいと思っています。
そのプレ企画Vol.0として、さる1月11日に家づくりの第一走者である山の木について学ぶべく「木の伐採と製材所の見学」を開催しました。埼玉/飯能の山に入り伐採現場を見学、山の仕事について西川ラフターズの若林さんからお話をうかがい、製材所や貯木場を見学し木材の流通を学びました。引き続き、多様なプログラムを催していきます。
◎「住みかをつくる~自然とつながる家づくりの学校」についてhttps://bioform.jp/project/sumikawotukuru
山が抱える課題は、需要減や価格低迷、人手不足、獣害など多岐にわたり、特に伐採から原木市場に至るまでの一連の流れにおいて、「質の良い木を育てても、高値で売れにくい」「乾燥や枝打ちの作業負担が大きい」など、山側の努力が十分に報われにくい構造が続いている点が深刻だということを知りました。
一方で、地域を守るために伐採を続けている林業者もあり、立て木を残して大径木を育てるといった工夫も進んでいると聞きました。さらに、天然乾燥材の価値を評価してくれる建築現場が増えれば、良い材を育て丁寧に使うサイクルが実現し、地域の森林や林業が持続可能となっていく可能性があるということもわかりました。
建築に携わる者として、また消費者として、良いサイクルがまわるような役割を果たせるとよいなと思います。