2025年3月7日

【Report】「住みかをつくる〜自然とつながる家づくりの学校」vol1.竹の伐採・小舞竹

『自然とつながる家づくりの学校』×『三年鳴かず飛ばず』プロジェクトの第一回目。

敷地のすぐ近くのお宅の竹林に入らせていただき、竹を伐採。お昼を挟んで竹割機で竹小舞をつくりました。少し前までは、建築資材、炊事、採暖、肥料や日曜雑具にいたるまで私たちの暮らしになくてはならなかった竹が、今では迷惑なものとして、竹林は放置され荒れていくばかりとなりました。

今回は住まいづくりに不可欠な「竹」に着目し、扱い方や有用性、竹林と整備のお話などを聞き、実際に竹に触れ手と身体を動かしながら「竹」と向き合います。

小舞は半年寝かせて乾燥させ、秋に竹小舞を編み、土壁をぬります。

世田谷区大蔵で展開中の『三年鳴かず飛ばず』プロジェクトの小屋づくり計画と連動して、「住みかをつくる〜自然とつながる家づくりの学校」としてシリーズで展開します。家づくりのさまざまな現場や素材、ワークショップを通じて、地域やその気候風土に寄り添った家づくりをみなさんに体感していただく機会を多く作りたいと思っています。

◎「住みかをつくる~自然とつながる家づくりの学校」についてhttps://bioform.jp/project/sumikawotukuru 

今日は、竹を伐って竹小舞を作ります。
会場は世田谷区大蔵で展開中の『三年鳴かず飛ばず』プロジェクト。工事中の長屋が今秋には竣工です。
様々な年代、バックグランドをお持ちの16名が参加されました。ビオフォルム代表の山田より「住みかをつくる~自然とつながる家づくりの学校」の趣旨についてお話させていただきました。“少し前まで、家は作るものでしたが、今は買うものになってしまった。今いちど、身の回りのもので自分たちで家をつくるということを見つめ、実際に手や身体を使ってやってみよう“
ビオフォルムの水野より、竹のあれこれについてお話しました。竹って、太古の昔より長い間、暮らしの中のあらゆることに使われた、なくてはならない有用な資源だったんですね。
まずは、竹の伐採をやってみましょう。敷地から歩いて10分の竹林。竹を伐る時期は、竹の含水量が低くなる10~12月がよいとされています。2月には地面から水が上がりはじめるので、今日がギリギリのタイミングでしょうか。
マメシバ農園の河合さんより、「私たちの暮らしと竹のはなし」というテーマで竹林の現状や新しい竹の使い方のお話などいただきました。
竹小舞には真竹を使います。よく目にする孟宗竹との違い、わかりますか?左が孟宗、右が真竹。節が違いますね。                       
いよいよ伐採です。しもきた園藝部の樋口さんに竹伐採のデモをしてただきました。(その1)まずは、伐る前に竹をどの方向に倒して引き抜くか、行程の全体を見きわめてから伐ります。そうでないと、上部で隣接する竹にひっかかり上手く倒れず危険なことになるのですね。
伐採実習(その2)通常の樹木の伐採は受け口を作り両側から2回で伐りますが、竹は片方から一方向で伐ります。また根元の方から伐ると歩くとき見えずにつまずき危ないので、高さ1mほどのところで伐ります。
伐ってみましょう!
上の方でからまらず、無事倒れるかな?
途中まで倒れたら、引き抜きます。
倒した後は、枝打ちし、あとで使いやすいように2m70cmに“たまぎり“します。
全部で30本伐採しました。鬱蒼とした竹林に光がはいり清々しい気が漂います。
1本あたり3つくらいにたまぎりしたので、全部で100本近い竹となりました。敷地に運びます。 
お昼ごはん!今年一番の冷え込みの中で3時間、竹林での奮闘お疲れさまです。温かい豚汁のさいしれです。ありがたい、冷えた体にしみしみ。
お腹が満たされたところで、午後はもう一仕事。竹小舞の小舞づくりです。教えてくださるのは杢巧舎の長橋さん。竹小舞(たけこまい)とは、土壁の下地として用いる割った竹です。竹を約3cm幅に割ります。
竹割道具。3から12分割まで竹の太さに合わせて使います。
割り口に道具をあて、
木槌でたたいて、
ぐいっと押し込んで、
半分まで割れたら、地面にたたせて最後まで割り切ります。
割ったあと、節をなたで取り除きます。
できた小舞は、運搬や管理がしやすいよう、20本づつ束ねて縛ります。縛り方に技あり。簡単にはほどけない「」というそうです。
さぁ、やってみよう!
竹割班、節を落とす班、束ねて縛る班、一通り体験しましょう。
17時近くまでかかりましたが、無事予定していた作業終了!10月のvol5「竹小舞・土壁」にて、この小舞竹を編んで土をつけて小屋の壁を作ります。お楽しみに!
寒さにも負けず、子供たちは常に元気!竹割りでも活躍しました。

写真:真島一樹/ビオフォルム環境デザイン室