works(作品)のコーナーでまだ紹介できていませんが、昨年べトナムでビオフォルムが設計を担当させて頂いたプロジェクトがあります。
中部にある世界遺産の町ホイアンに建つ、環境配慮型のオーガニックカフェ「U-cafe」です。
特に温熱環境を考慮し、通風を意識した設計にしています。また特筆すべきは浄化システム。
カフェ内の全ての排水が微生物の力で浄化され、バルコニーの池に還元されるようになっています。
今回は温熱環境の調査を主として、日本工業大学准教授の樋口佳樹さんたちと共に訪問しました。
竣工直後に比べ植栽も落ち着き、川沿いの街並に自然に馴染んできたようです。
ビオフォルムではその土地の地域性を大切にしていますので、今回は現地でよく使用されているレンガを採用。
あえてレンガをむき出しにし積む技術を見せ、素材の存在感と構造を活かしました。
「この辺りではレンガのままだと昔の貧乏な印象があるから塗装したがるけれど、これはとてもきれいだ」と来ていた方の言葉。
観光客の方だけではなく、地元の方もくつろげる空間にしたかったので、これを聞いて安心しました。
排水の浄化も順調で、店内の池は澄み、子どもたちが熱心に金魚を見ていたのも印象的でした。
このカフェのオーナーは、長らくヴェトナムへの支援に尽力されてきた日本人女性。
来る方に環境への気づきを持ってもらいたいという想いと、現地の方の職業支援のためのトレーニングの場にしたいという想いが込められた、小さいけれど先駆的なプロジェクトです。
ホーチミンやハノイに比べ、まだまだ日本人観光客が少ない穴場のホイアン。
美しい世界遺産の町を訪れることがあったら、是非こちらのカフェにも立ち寄ってみてください。
特に3階から眺める川の眺めは最高です。
(スタッフ 山田)
U-Cafe:紹介サイト
ホイアン U-Cafe プロジェクト:プロデューサー吉田晃氏によるプロジェクト紹介