【new】ちっちゃい辻堂 出口
100年後の風景をつくる。生態系を回復する暮らしのリ・デザイン
「ちっちゃい辻堂」プロジェクトは、施主(石井家)が代々受け継いできた土地を、辻堂の風土に根差した100年後の風景をつくることを目標としている。
昨年竣工した「ちっちゃい辻堂 久根下」に続き、第二計画として近くに竣工した「ちっちゃい辻堂 出口」。(久根下、出口とも古来からの地名である。)
出口の方は、3戸長屋形式(2階建てメゾネット型2戸・平屋1戸)の賃貸住戸となる。町屋的な通り土間形式として、南北の土間空間を各戸の“通り土間”がつなぎ、庭の樹木や地面に設えた“微生物塗装”が微気候を形成する。これら外部の中間領域を豊かに計画することで、パブリックとプライベートの間の緩衝空間としての機能をはたし、ひと・地域・環境との関係性をデザインしている。
建物は地産地消の無垢のスギとヒノキを構造と内外装に使用した。なた、パッシブデザインと太陽熱利用の仕組みを用いながら温熱環境の底上げを図るなど、環境に配慮した工夫や技術を組み合わせている。
外構・ランドスケープはクロマツプロジェクトさんによる“微生物塗装”を施している。有機物を多用した地表面の舗装は水や空気が地中に浸透することを助け、健全な土中環境を形成していくことを目指す。それにより建物周りの微気候が整い、室内にもよい影響を及ぼす。また、果樹などを多彩に植え、食べられる風景を形成している。このように、住環境に自然環境を取り込むことで、地域、環境、風景を改善させ、豊かな価値になることを目指している。
今後も徐々に広がり、近隣に3期を計画中。100年後の風景をつくっていく実験的プロジェクトです。