農的暮らしとパーマカルチャー

自然と人が共生する暮らし

菜園のある暮らし
小さく始める、自給自足

家のみならず、家を取り巻く自然環境との関係性を見直すことで、より少ない資源とエネルギーでより豊かに安心して暮らしていける仕組みを考えたいと思います。

私たちが大事にする考え方の一つに、「パーマカルチャー」という考え方があります。パーマカルチャーとは、1970年代にオーストラリアの生態学者である、ビル=モリソンらが提唱し始めた考え方です。生態系・自然の循環の仕組みに学び、我々の衣食住のデザインに応用することを基本にしています。衣食住すべてにわたって、自然との調和と共生をめざし、有機的で持続可能なデザインを自らの手で生み出すことに着目しています。

私たちはパーマカルチャーを下敷きにしながら、食料や水やエネルギーをできるだけ自給でき、環境負荷の小さい、循環型の農的暮らしをサポートする住まいをつくっています。

私たちが設計する家のいくつかには、小さな菜園がついています。また、菜園と連携して住まいの一部に土間を設け、「働く空間」として機能するようにしています。

野菜作りや庭仕事を通じて、自然とのつながりを実感する。小さな菜園の営みからでも、食の安全やエネルギーの問題など、そこから見えてくることはたくさんあります。そんな農的暮らしをサポートするために、家づくりを通じて様々なアイデアを提供しています。

循環の仕組みのアイデアは
生活の様々なシーンで活かすことができます

例えば、
・泥付き野菜をそのまま持ち込め、冬は蓄熱効果もある土間のある玄関
・収穫の喜びを味わい、夏の日差しをここちよく和らげる植物棚や果樹類
・畑の水やりに使える雨水タンクとその水を何回も活用するカスケード利用
・排水を植物の力で浄化するバイオジオフォルター
・森林資源を活用する、薪ストーブやペレットストーブの設置
・人間と自然界を循環で結ぶコンポストトイレや浄化槽の仕掛け
・防風や冷気だまりなどの微気性をつくり出す周辺の樹木
など。

本来、建築とその外部の環境と切り離せないものです。農のある暮らしは、住まいを内に閉じられた空間から外へ開かれた空間へと変容させ、地域とのコミュニケーションを育む場ともなります。

こうした仕組みを住まいの中に組み込むことで、少しでも環境に対するインパクトを抑えた暮らしを実現することに近づきます。

より人間らしく、豊かな暮らしを取り戻すために、こうした循環の仕組みを備えた家づくりをお手伝いします。

自分の手で、生み出す暮らし
セルフビルドという選択肢

大量生産型の家づくりは完成品をパッケージに商品化されて、住まい手に提供されます。ですが、そこには、造り手の顔や地域性や素材の力などは残念ながら感じられません。家づくりの現場が住まい手から離れてしまった結果、家を造る、ということへの共通した理解というものが失われてしまいました。

昔は街中に槌(つち)の音がひびき、大工さんが鋸(のこぎり)と鉋(かんな)を使って家をつくっていて、その風景を誰もがみていたものです。

パーマカルチャーは暮らしを自らの手でつくる、と言うことを理解し、自ら必要なものはできるだけ自立して作り出していく、という姿勢も大事にしています。
家づくりの現場も住まい手に取り戻す必要があるのではないでしょうか。少しでも家づくりに自らの手をくだすことは、家がどういう仕組みでできているのか、などを理解する大きな手がかりになります。

それは、家のメンテナンスなどに直面したときにも、住まい手の人間力のようなものを発揮できることにつながるのです。

菜園やそれにつながる土間などを設計のなかでご提案しているのも、住まい手の方の人間力をどう育むか、ということが大きなテーマの一つだからです。

私たちは、セルフビルドをしよう、という元気のよい住まい手の方のご相談にものらせていただいています。

※事例
いるかビレッジ(カフェ・農園)
PICA山中湖ヴィレッジレストラン
足立エコアパート

ビジョンを構成するコンセプト

木の家 / 自然素材の家づくり
省エネで快適な暮らし
日本の伝統 / 地産地消の家づくり
コミュニケーションを生む場づくり
農的暮らしとパーマカルチャー
循環する場の創造
木の家 / 自然素材の家づくり
省エネで快適な暮らし
日本の伝統 / 地産地消の家づくり
コミュニケーションを生む場づくり
農的暮らしとパーマカルチャー
循環する場の創造