東京都世田谷区大蔵地区。仙川と野川に挟まれ、国分寺崖線の緑地帯が広がる穏やかな場所で、新しい暮らしの場づくりのプロジェクトが進んでいます。
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プロジェクトは、都市計画道路施設により土地が二つに分断されることを発端に始まりました。もともとは大家さんの実家、賃貸アパートと畑があり、野菜販売をしたり正月祝いをしたりとまちの人が集う場所でした。建物は解体され更地となりましたが、まちの人が集ったこの場所の記憶を未来につなぐ暮らしの場(もしかしたら、ちょっとした集落?)をつくるプロジェクトとして、スタートしました。
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二分された敷地には“100年後も残る風景”をコンセプトとした「長屋プロジェクト」と、“世代に合わせて変化する風景”をコンセプトとした「小屋プロジェクト」がスタートし、これからのまちの風景をつくっていくことを目指して設計進行中です。
「長屋プロジェクト」
長屋プロジェクトは、子育て世代向けの賃貸シェアハウスです。子育て世代が暮らしをシェアし、まちとのつながりを持つことで、いろいろな大人がいる豊かな環境で子どもたちが成長できる場所を目指します。
建築は、1層目がコモンスペース、その上に長屋形式の住宅3世帯分が乗る構成です。各住戸は、玄関は分かれていますが、コモンスペースへ直接アクセスできるため、住民同士が距離感を保ちつつ、つながる暮らしができるように工夫しています。 またコモンスペースは道路に面して大きく開かれ、まちに賑わいが溢れ出すように計画しています。屋根にある風棟は、3層分つながる階段室となっており、人の動線であると共に、光・風・熱が動く環境装置としても機能します。
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「小屋プロジェクト」
小屋プロジェクトは、「マザーハウス」と、単身者向け「小屋型の賃貸住宅」と畑スペースで構成されます。
「マザーハウス」には、まちのお母さん的存在の方が住まい、1階のキッチンスペースは、まちの人や子どもたちが集える場所となる計画です。また、共有のトイレや風呂を設け、小屋側の住民も使えるシェアスペースとしても機能します。
「マザーハウス」の広いキッチンやお風呂をシェアできることで、「小屋型の賃貸住宅」は最小限のスペースにしています。目の前に広がる畑で野菜を育て、皆と共に食事ができ、狭小アパートと同じ部屋面積でも豊かな暮らしができるように計画進行中です。
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小屋プロジェクトには、都市における畑と住まいの共存、及び土地を傷めず後々撤退しやすい小さなつくり方という2つのテーマがあります。そのテーマに対して、小屋型賃貸住宅では、簡単に建築・修繕ができ、移動可能で土地を傷めない構法を開発検討中です。
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小屋実作にあたり、その実寸モックアップを、墨付けから刻み、建て方までスタッフにてセルフビルド中です。作りながら、柱や梁の寸法やディテールを検証、調整し、実作に生かします。実作ではセルフビルドWSも予定しているので、facebookやInstagramでお知らせします。
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23年3月11,12日に、石場立ての地固めを、ヨイトマケにて行いました。石場立ては、建物の基礎を石でつくる伝統的な構法で、大地をコンクリートで塞いでしまわないため、環境への負荷も少ない方法です。100キロほどの重りを数え唄を歌いながら、みんなで引いて地固めしていく作業と、おいしいごはんをみんなで共にする風景は、建築をつくるということを改めて考えさせてくれる貴重な機会となりました。
杢巧舎さんのご指導のもと、2日間で100人近い方々にご参加いただき、無事ヨイトマケ作業を完工できました。※杢巧舎 http://mokkohsha.jp/
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23年7月、小屋プロジェクトでの「マザーハウス」と「小屋」の2棟が竣工しました。https://bioform.jp/m-piece/motherhousu-koya
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引き続き、長屋型シェアハウスの建築や小屋2棟目の計画にはいります。プロジェクトはまだ道の途中。今後の進捗にご期待ください。
note「三年鳴かず飛ばす」https://note.com/okura_pj