「さとのえ」プロジェクト@宮城県柴田町

◎23年4月、宮城県柴田町 坂元植林の家『さとのえ』プロジェクトが竣工しました。
   
地元に根差し、山を守りながら家づくりを行う「サカモト/坂元植林の家 」さんのモデルハウスとなります。自社の山の木を自ら製材、乾燥し、手刻みで作る家。母屋とエネルギー棟からなり、自然のめぐみを生かした自給的な仕組みを整えました。
2020年より設計を担当させていただき、2022年秋に母屋が竣工、23年4月にエネルギー棟が竣工、5月より一般公開しています。見学予約はこちら。

伝統的な木の家と現代の環境技術を組み合わせた自立的な住まいのモデルです。
最大限に自然通風を生かす間取や窓の配置、多層空間によるダイレクトゲイン、微気象の形成など、
など、多面的な環境の仕掛けで適正な温熱環境を維持し、省エネを実現しました。
エネルギー、水の自給的な仕組みを備え、暖房や調理はなるべく化石エネルギーに頼らず、地域の豊富な木質エネルギーや太陽熱でまかないます。
木質資源を利用した、暖房と調理用竈を兼用した多機能の輻射型の暖房であるペチカ。薪ボイラーで温水を作り、床暖房に利用します。台所にガスコンロは備えましたが、竈も設けました。
いずれも災害時のエネルギー対応にもなります。
「エネルギー棟」は伝統的構法で竹小舞/土壁。ここでは、水、熱、電気の自給をするオフグリッドの取り組みをしています。
引き続き、風土形成事務所さんのもと、菜園の整備や雑木林の再生も行い、自給的な里山の暮らしの場を目指します。
ランドスケープデザイン:風土形成事務所
造園:よっちゃんの庭工房

※2023年ウッドデザイン賞 環境大臣賞 受賞
※2023年エコハウス大賞 モデルハウス部門 優秀賞 受賞
※2024年囲炉裏・薪ストーブのある暮らしデザインコンテスト伊勢市長賞 受賞

さとのえ詳細はこちら(坂元植林の家HP)

全景:母屋とエネルギー棟
母屋
エネルギー棟
母屋内部
ペチカ

坂元植林の家ウェブマガジン「もりのわ」にて、坂元代表取締役 大沼毅彦さん、企画経営室 大沼育美さん、環境デザイナーの廣瀬俊介さんと山田貴宏のクロストーク“関係性のデザイン”が掲載中です。

◎23年2月28日 完了検査。
温熱環境を計測しました。太陽熱集熱装置「そよ風」がよく効いてました。加えて、縁側のダイレクトゲインも効果あり。内部の居間空間と仕切り、複層的な構成にして温熱環境を整えます。床の表面温度計測中。33℃でした。

◎22年秋 母屋竣工

写真:佐々木信也氏
写真:佐々木信也氏

◎2022年7月 母家と対をなすエネルギー棟が上棟
太陽熱、エネルギー利用、釜の設置など、母家のエネルギーの自給を目指します。竹小舞土壁でつくります。